2020年02月12日

      
  敬愛する渡辺千尋氏の作品が福岡市美術館で展示されています!
渡辺千尋 1979「風の遺跡」

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      福岡市美術館 コレクション展 近現代美術
       渡辺千尋 Watanabe Chihiro

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 版画家・デザイナー・文筆家の渡辺千尋(1944-2009)による銅版画作品を紹介します。
 1965年に桑沢デザイン研究所を卒業した渡辺は、当初デザイナーとしてキャリアを重ね、レコードジャケットや書籍の装丁、雑誌の挿画等を精力的に行いました。1960年代末、反芸術のムーブメントやアングラ文化の渦中で、時代の空気を凝縮した過剰で奇抜なデザインワークを発表しています。
 1978年、渡辺は挿画を目にした高校時代の先輩に勧められ、エングレーヴィングを始めます。エングレーヴィングは、鉄の刃物(ビュラン)で銅版に線を彫り、版を作るという、紙幣の印刷方法として知られる銅版画技法です。一方向にしか彫り進めることができず、「何年かかるかわからない」気の遠くなるような作業を要求するこの技法は渡辺にとって好ましく、自身が描こうとする世界の解像度に適した方法だったのでしょう。渡辺はこれを独学で習得し、ますます饒舌に表現するようになってゆきました。
 このたび展示する作品は1978年から90年代のものです。この時期、渡辺は生涯に手掛けた銅版画の約半数を完成させました。驚くべき細やかさと密度で表された線の集積は、見る者を捉えて離さず、高い技術のみならず魔術的な力まで感じさせます。そして、増殖する有機的な形態が作り出す風景は、文明の起源と終焉を同時に表しているかのようです。
 福岡市美術館は、2015年に渡辺千尋作品34点のご寄贈を受けました。本展では、22点の作品を展示します。       [学芸員 忠あゆみ]


会 期:2020年1月17日(金)〜4月19日(日)/月休 9:30~17:30
会 場:福岡市美術館 近現代美術室B
    810-0051福岡市中央区大濠公園1-6/092-714-6051

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(14:03)

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